
更新日 2026-05-06
📓 ロゴの商標登録は必要?|依頼前に知っておきたい基本
ロゴを作るとき、「商標登録までした方がいいのかな」と迷うことがあります。ロゴは見た目のためだけのものではなく、会社やサービスを覚えてもらうための大切な目印です。そして、そのロゴを作っただけで、将来も安心して使い続けられるとは限りません。
この記事では、商標登録が何のためにあるのか、どんなロゴなら考えた方がいいのか、依頼前に何を確認しておくと安心しやすいのかを、むずかしい制度の話に寄りすぎず、実際にロゴを使う人の目線で見ていきます。
制度をしっかり覚えるというより、完成したロゴを長く使い続けるための考え方として読める内容です。これから開業する方や、会社名、サービス名をロゴに入れて使いたい方に役立ちます。
著作権との違いにも触れながら、事業の目印であるロゴを守る視点で見ていきます。
👁️ この記事はこんな方におすすめです
・これからロゴ制作を依頼しようとしている人
・会社名、屋号、サービス名をロゴに入れて使いたい人
・作ったロゴを長く安心して使いたい人
・商標登録と著作権の違いがよくわからない人
・商標登録の費用や弁理士への相談も気になっている人

🖋️ ロゴの商標登録って、何のためにある?著作権との違いは?
商標登録は、ロゴや名前を「事業の目印」として守るためにあります。商標は、「会社やお店の商品、サービスを他と区別するために使われるマークや名前」のことです。ロゴも、その会社やサービスを見分けてもらうための大切な目印の一部になります。
たとえば、同じようなサービスが並んでいるとき、ロゴがあることで「あの会社だ」と思い出してもらいやすくなります。さらに使い続けることで、信頼感や安心感も少しずつ積み重なっていきます。
商標登録は、その目印を事業の中で守りやすくするための制度です。ここで大切なのは、商標登録はロゴの見た目をきれいにするためのものではない、ということです。
商標権は、ロゴの形だけを単独で守るというより、そのロゴをどの商品やサービスに使うのかと合わせて考える権利です。そのため、デザインとしての完成度とは別に、どの事業の目印として使うのかも大切になります。
つまり、商標登録は、ロゴの見た目の良し悪しを判断するものではありません。そのロゴが会社やサービスの目印として使われ、事業の信用と結びついていくものかを考える話です。
ここで、著作権と商標の違いも少し見ておきます。以前紹介した著作権の記事では、誰が作ったものか、どこまで使えるかという話が中心でした。ロゴのケースでお話しすると、著作権は「作られたロゴデザインそのもの」を守る考え方で、商標は「そのロゴを会社やサービスの目印として使うこと」を守る考え方です。
もっとわかりやすく言うと、「著作権=ロゴデザインそのものを守る」「商標=事業の目印としてのロゴを守る」ということです。ロゴはデザイン作品でもあり、事業の目印でもあるため、この2つが少しわかりにくく感じられることがあります。
商標登録では、作った人よりも、そのロゴが事業の目印として他とぶつからずに使えるかが大事になります。
ロゴを依頼する人にとって大切なのは、制度を細かく知ることではありません。自分たちのロゴが事業の目印になるなら、商標という考え方が関わってくると知っておくことです。

🖋️ ロゴを作ったら、商標登録まで考えた方がいいの?
ロゴを作ったからといって、必ず商標登録をしなければいけないわけではありません。商標登録は義務ではなく、事業の内容や使い方に合わせて考えるものです。ただ、ロゴのデザインが完成したあとに考えるものと思われがちですが、長く使う予定があるなら、制作前や制作中の段階から名前や使う範囲を意識しておく方が安心です。
まずは、そのロゴをどのくらい長く使う予定か、どのような場面で使っていく予定かを見ると判断しやすくなります。実務での経験上、10年くらい同じ名前で使っていきたいロゴなら、商標登録も一度考えておくと安心です。ホームページやSNS、看板、名刺、広告、商品、パッケージなど、お客様の目に触れる場面が多いロゴほど、事業の目印としての意味も大きくなります。
会社名やサービス名そのものをロゴにしている場合も、事業の目印として長く使う可能性が高いので、早めに確認しておくと安心です。特に、開業時だけでなく、その後もホームページ、SNS、印刷物、看板、商品まわりなどに継続して使っていく予定があるロゴなら、商標登録を考える意味は大きくなります。
反対に、イベントやキャンペーン用など、一時的に短期間だけ使う予定のロゴであれば、商標登録が必要ではない場合もあります。ただし、後から事業の中心になる可能性があるなら、最初から名前や使う範囲を意識しておく方が、あとで慌てにくくなります。
商標登録をするかどうかは後で決めるとしても、将来使い続ける前提があるなら、早めに気にしておく価値があります。必須かどうかではなく、安心して使い続けたいかどうかで考えると判断しやすくなります。

🖋️ 商標登録しないまま使うと、どんな不安がある?
商標登録しないままロゴを使うこと自体、何かすぐ問題になるということはまずありません。大切なのは、登録していない状態にはどんな不安が残るのかを知っておくことです。とくに長く使い続けるロゴになればなるほど、あとから似た名前やロゴが見つかる可能性が高まります。
会社やサービスの顔として長く使っていくロゴでは、途中で変える負担も大きくなりやすいです。
気をつけたいのは、ロゴを使い始めたあとに、同じような分野で近い名前やロゴがあると気づく場合です。その時点でホームページ、看板、SNS画像、名刺、広告、商品まわりなどを作っていると、変更する手間も費用も大きく、精神的にもかなりのダメージを受けることになります。
ロゴは使い続けるほど印象が積み重なるので、その分途中で変える負担も大きくなりやすいです。「今は問題ない」からといって、「将来も困らない」という保証はどこにもありません。
また、自分では問題ないと思っていても、相手側から見ると似ていると感じられる可能性もあります。商標は商品やサービスとの関係で見られるため、名前や見た目だけで単純に判断できないことがあります。
ここは自己判断だけで決めにくい部分なので、似た名前やロゴがないか気になる場合は、特許情報プラットフォーム「J-PlatPat」などで商標検索をしたり、必要に応じて弁理士などの専門家に相談したりして、早めに確認しておくと安心です。
商標登録を考える意味は、トラブル回避もありますが、より大切なのは、せっかく育てていくロゴを途中で変えなくて済むようにすることです。「今は問題ない」だけでなく、「将来も困らない」ようにするための、一種の保険のようなものとも言えます。

🖋️ 商標登録を考えた方がいいのは、どんなロゴ?
商標登録を考えた方がいいのは、会社やお店、サービスの顔として育てていくロゴです。たとえば、屋号、会社名、サービス名、商品名、店舗名などと結びついたロゴは、見る人に「どこの事業か」を思い出してもらう大切な目印になります。
こうしたロゴは、単なる画像ではなく、事業そのものの印象と結びついていきます。何度も見てもらううちに、ロゴを見ただけで会社やサービスを思い出してもらえるようになるため、商標登録を考える意味も大きくなります。
また、これからブランド名として育てていきたいロゴも、早めに確認しておきたい対象です。商品展開、店舗展開、オンライン販売、パッケージ、広告などに使っていく場合、そのロゴは多くの人に覚えてもらう「入口」になります。
反対に、すべてのロゴを同じ重さで考える必要はありません。期間限定の企画ロゴと、会社やお店の顔になるロゴでは、考える優先度が変わります。
「このロゴをどこまで育てたいか」を考えるだけでも十分な準備になります。長く使う本命のロゴなら、すぐに登録するかどうかという話ではなく、制作依頼とあわせて商標の確認も視野に入れておくと、あとから混乱しにくくなります。

🖋️ 商標登録にかかる費用の目安
商標登録の費用を見るときに、まず知っておきたいのが「区分」です。区分とは、簡単に言うと、商標を「どの商品やサービスに使うのか」によって分ける分類です。日本の商標制度では、第1類から第45類までの区分があり、出願するときは自分の事業に合う区分を選びます。
ロゴの場合も、そのロゴを何に使うのかによって、関係する区分が変わります。たとえば同じロゴでも、アパレルブランドとして使う場合と、カフェとして使う場合では、選ぶ区分が異なります。
そして、使い方が複数ある場合は、複数の区分で出願を検討する必要があります。たとえば、アパレルブランドとカフェの兼用で使うなら、アパレルに関する区分と、飲食サービスに関する区分の両方を考える必要が出てきます。
「1区分」とは、その45種類の中から、ひとつのグループだけを選んで出願する場合のことです。区分が増えると、その分、出願料や登録料も増えていきます。
費用の目安としては、
・自分で手続きする場合
自分で商標登録を進める場合は、特許庁へ支払う費用がかかります。1区分の出願料は12,000円です。
商標権の期間は10年で、審査に通ったあとに登録料を納めます。登録料には、10年分を一括で納める方法と、5年分ずつ分けて納める方法があります。
10年分を一括で納める場合
出願料12,000円
登録料32,900円
合計44,900円
5年分ずつ分けて納める場合
出願料12,000円
登録料17,200円(前半5年分)
登録料17,200円(後半5年分)
合計46,400円
ただし5年で商標権を返納する場合は、後半5年分の支払い義務はありません。
・弁理士に依頼する場合
弁理士に依頼する場合は、上記の特許庁へ支払う費用に加えて、弁理士の手数料がかかります。金額は依頼先や内容によって変わります。
1区分で出願から登録まで進める場合
特許庁へ支払う費用:44,900円
弁理士の手数料:依頼先によって変動
総額の目安:9万円~16万円前後
一般的な特許事務所に依頼する場合
総額の目安:14万円前後になる例あり
オンライン系のサービスを利用する場合
総額の目安:6万円台から見られる場合あり
※ただし、対応範囲や登録年数、調査内容によって変わります。
費用は、区分数、事前調査の有無、審査で指摘があった場合の対応、依頼する事務所やサービス、登録年数によって変わります。費用だけで見ると自分で手続きする方が安くなりますが、似た商標の確認や区分の選び方に不安がある場合は、弁理士に相談する方が安心しやすいです。

📓 まとめ|ロゴの商標登録は必要?
ロゴの商標登録は、全員に必ず必要な手続きというより、そのロゴを事業で安心して使い続けるために必要かどうかを考えるものです。小さく試す段階のロゴと、会社やサービスの顔として長く使うロゴでは、判断の重さが変わります。
会社やサービスの顔として長く使うロゴなら、早めに考えておきたい大切なテーマです。
ロゴは、デザイン作品であると同時に、会社やサービスを見分けてもらうための目印でもあります。著作権がロゴデザインそのものを守る考え方だとすれば、商標は事業の目印としてのロゴを守る考え方です。この違いを知っておくだけでも、商標登録の意味はかなり理解しやすくなります。
商標登録をしないまま使うことが、すぐに問題になるとは限りません。ただし、長く使い続けるロゴほど、あとから似た名前やロゴが見つかったときの負担は大きくなります。「今は問題ない」だけでなく、「将来も困らない」ようにするための備えとして考えておくと安心です。
そして、商標登録は自分で手続きする場合と、弁理士に依頼する場合があり、金額だけでなく、登録手続きにかかる手間や時間も含めて検討することが大切です。
大切なのは、制度を理解することではなく、そのロゴを「長く使うのか」「どの商品やサービスの目印として使うのか」必要なら「どの段階で確認するのか」を、依頼前に整理しておくことです。ロゴを事業の顔として育てていきたい場合は、制作依頼とあわせて商標のことも視野に入れておくと、あとから混乱しにくくなります。
ロゴスケでは、こうした内容を丁寧に整理しながら、御社らしいロゴ制作をお手伝いしています。
ロゴ制作をご検討中の方は、サービスページもぜひご覧ください。

🖋️ ブログを書いた人
井上ダイスケ|ただのデザイナー|福岡出身
ロゴ制作サービス「ロゴスケ」を運営しています。
もともとはインテリアデザインの仕事をしていて、海外で家具や空間に関わる仕事に携わってきました。
その中で、お客さんから「ロゴも一緒に考えてほしい」と相談をいただいたことをきっかけに、ロゴデザインも手がけるようになりました。
現在はロゴ制作を中心に、名刺やショップカードなどのグラフィックデザインも行っています。
このブログ「ロゴLOG(ロゴログ)」では、ロゴ制作を考えている方に向けて、ロゴの考え方や制作のヒントを紹介しています。
サッカーとお米が大好きで、推しの選手の試合がある日はだいたい夜更かししてしまいます。
